【いいじゃないか、髪の毛くらい】


市井の娘の髪を伝右衛門に“辻斬り”させていた家光。
「よいではないか。髪の毛ぐらいすぐ伸びる」

堺「目がちょっと狂気じゃない?」
(この人、こういう芝居きらいじゃあないw)

堺「毎回当たり前のようにやっているから、苦労がわかんないけど、
こうやって改めて見ると、多部未華子の七変化というか、
成長がどんどん出てくる」

上様の間に入ってきた有功が、「下がれ」と言われるくだりだって、
その前の顔と全然違う。

「あの人は凄い」

よ「有功が上座にはいってくる時に、多部ちゃんが
「ああ、ダメだ、わたし・・・」って顔をするんですよ
ここも凄い」

堺「それは男だった顔が、女になる瞬間。
テストのとき、ドキッとした。
あ、好きになったんだ、
好きになってくれたんだって
ここにグッと来ない男はいない

知らんけど」

よ「ここ何回見ても家光が丸裸にされちゃった、と思って」
「この顔はなかなか出来ないでしょう?芝居では」

※なんかもう堺サンは、多部ちゃんの演技のことを楽しそうに語っています。
園芸屋さんが「お客さん、お目が高い。これはいい盆栽でしょう。」
と延々と語る感じ。

よしながさんは、自分の頭の中の創作物が、ドラマのキャラクターとして
肉体性を伴い、しかもこれ以上ないほど的確に動いているのを見て、
“原作者がタベワズラウ症候群”にすっかり嵌ってしまっていますね。


【「王道のラブストーリー」】

それが、有功に叱責されて、「お似合いです」と言われ、
恋に落ちてからというもの、家光は“辻斬り”をやめ
かもじを伝右衛門に買いに行かせてます。

よしなが「『それなら、よいであろう、な?』」の
『な?』の多部ちゃんがカワイイ。」

磯「上様の方が『似合う』って言われたから」

堺「むふふ、カワイイ」

「有功に対して“全開”なんですよ」

「ラブパワーの直射を全身に浴びている」

※以前、それは堺雅人の「受け」の演技が引き出してくれている、と書きました。
それだけのポテンシャルを引き出してくれる役者は、そう多くはいないでしょう。
でも、「ラブパワーの直射」って凄い言葉ですねえ・・・


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【多部:上様キック炸裂】

よ「多部ちゃんが助走をつけて蹴る」
磯「こんなに思い切って走ってくるとは思わなかった」
堺「凄い。自分でもちょっと段差から落ちてる。
キックの反動で。

(「よいか、・・・」のセリフに合わせて)「よっ、かっこいいよ」

よ「最後、戦場に出るみたいな顔で振返ってきて、すごくいい」

「マンガだと、場面が飛ぶところがある。
それをどうやってつなげたらいいのか、
逐一、凄く悩んでいた」


よ「つなげ方も間の取り方もすごく自然で素晴らしい」

「そうなんです。天性の・・・」
「本来なら、助走がたりないんですよ、ちょっとずつ。
それを全部力技でもっていったから、
この人はすごい」


※この言葉は興味深いです。
以前取材で、多部ちゃんはパズルに例えてこう言いました。
「最後のパズルが合わなければ、私は構わず押し込んじゃう。
けれど堺サンは、パズルのピースを合うまで加工し直して、
完成させるタイプ。」

これは同じようなことをお互いの視点から言ってるようなものですね。
多部ちゃんも堺サンも短い間に、役者としての相手を
よく知り合った、とも言えるでしょう。
例えていうならば、理詰めの堺サンと感覚の多部ちゃん。
でも、最後のピースにまでたどり着くまでは、多部ちゃんは
理論派なんですよね。(台本とかセリフの行間の読み方とか)

そのバランスが絶妙。

制作者がいつも多部ちゃんのことを「天性の・・・」「天才・・・」と言いかけて
口ごもるのは、その読み込みの努力の部分を知っているからかも知れません。



【第6話のキスシーン】

よしなが「多部ちゃんからしてる感じ。
すっごく嬉しそうなのがよかった」

堺「多部ちゃんはエロスをまっすぐ出すから、すごく楽しいんです。
清々しくて、美しいんです

『大奥』はベッドルームとリビングルームの話だから、
こういう話にならざるを得ないけれど
ドロドロしない、ってとこが多部ちゃんの凄さ」

「清潔感でね」

よしなが「母の顔。
ラブシーンでも家光が若干始めの頃よりも
なれてて、それがなんだか悲しいね、と思う。
色々あって、なんか慣れていくのが・・・」

「あなたはお変わりになりました」

磯「本当は内心の声」
よ「口に出したほうがより恨み言めいて、良かった」

堺「言いにくいセリフは、『狂ってしまえ』」

上様の方が達観していった、
もっと駄々をこねてくれたら、もうちょっと救われたのに」

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※上様は有功によって、狂気から救われ
やがて成長し達観し、彼を追いぬいてしまいました。
そして、独占欲・嫉妬・恋情によってダークサイドに堕ちた有功は
かわりに次第に狂気を孕んでしまったわけですね。



【女将軍宣言】


「よいか?わしが将軍になることに
誰か異存はあるかえ?」


よしなが「ここがキレイなの。美しいの。
多部さんがすごいよかった」

堺「異存はあるかえ」でそうきたかあ?と思った

最後の大見得を切るところはちょっと感動

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※堺サンが最初から言っていたように、ドラマ『大奥』は

「家光の成長物語」でした。

これも番宣では多部ちゃんもそういっています。
でもそれは、面倒だから追随してたわけではなく、
まさにこのドラマの本質がそうだし、
成否は自分の演技に懸かっている、という自負の表れでしょう。

結果、役者堺 雅人から
「この人はすごい」
と理屈抜きの賛辞を受けたら、
それは多部未華子のひとつの本望かもしれません。



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堺 雅人、多部未華子 他

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