みんなで夜歩く。ただそれだけなのに、
どうしてこんなに特別なんだろう


監督 長澤雅彦、脚本 三澤慶子・長澤雅彦
製作 牛山拓二・武部由実子
出演者 多部未華子、石田卓也、郭智博
西原亜希、貫地谷しほり、松田まどか
柄本佑、高部あい、加藤ローサ・池松壮亮


全校生徒が24時間かけて80kmを歩く、
茨城県の進学校北高校の伝統行事「鍛錬歩行祭」。
3年生の甲田貴子(多部)は、一人密かに賭けをしていた。
それは、同級生でまだ一度も話したことのない西脇 融(石田)に
思い切って声をかけること。年に一度のこのイベントが最後のチャンス。
恋心からよそよそしい態度をとっていると勘違いした級友達は
さかんに二人をけしかけるが。

前半はやっぱりかったるいです。
レンタルDVDで見たときは3回脱落しました。
貫地谷が「活躍する」ところ、貫地谷が「活躍する」ところ、今川焼きを落とすところ。
今川焼き、川に落としたら環境汚染だろう、ってことより、あれれ、ここでネタバレ?
ま、予告編でもうその辺は明らかにしているので、はなからその話を引っ張るつもりは
ないみたいですが・・・ そうなると、事情を知らないクラスメートのあおりがシツコい。
映画化するなら、貴子のクラスメートを整理して、貫地谷はベンチ、
静かな松田まどかはいていいや(笑)
貴子と美和子は2年、3年と同じクラス、杏奈は留学。これですっきり。
冒頭で夜空を見上げていた3人と今のクラスメートが入替わる面倒が省け、
ストーリーの展開上も何の支障もないように思えますが
(貴子の友人関係が最初わかりづらい、この映画。無駄に複雑)
美和子の剣道着にスキー板のショット、貫地谷、アニメシーンはカット。
これで前半はだらだらと歩くシーンが続く展開になります。
(でもこの映画の本来のテイスト。異物感はなくなります)

60kmの団体歩行(クラス毎に歩く)のあと、体育館での2時間の仮眠。
そして夜明けからの20kmの自由歩行(走るものは走る)

ここからラストまでは素晴らしい。青春映画です。
(あ、爆撃シーンは不要ですね、ていうか入れるな!)
とくに照明。懐中電灯のあかり、体育館からさす夕日、木漏れ日。
揺らぐ彼らの心情を良くあらわしていました。
夜景が(フィルター処理とかじゃなく)ちゃんと夜景として取れています。

この映画は多部未華子の、その表情の豊かさを見せてくれます。
・葬式のとき、母の背中越しに西脇 融を覗う表情
(ぎ・ぎ・ぎ・ぎ・・・ という変な効果音とともにカラダを傾げて様子を伺う)
・足にマメが出来そう→絆創膏をもらう→あ、プーさん!の表情の変化
・西脇 融の「誕生日パーティ」、思わず缶コーヒーで乾杯したとき
(あ、しゃべっちゃった)
・おじゃま虫の亮子を隔離しに、友達がどんどん加勢にいって、
いよいよ二人きりで遠慮がちに話し始めたとき
(互いに相手のことを実はよく見ていた事が分かる名シーン)
・漢字の話とかどうでもいい話を照れ隠しに、ぼそぼそと語り合う
・二人の将来を暗示するかのような朝日を背中に浴びながら、
「こんどまた歩きたいね」精一杯の勇気を振り絞って言ったとき、
(原作では「家に来て」ち誘うらしいが、現状ではここまでで
いっぱいいっぱいだろう? 「家まで」じゃ進展しすぎ!
(これは映画の解釈のほうが好き) 
・ゴール目前の坂道(貫地谷が初めてコメディリリーフの役目を果たした!)
「青春しよう!」と兄妹で声を出し合う(やな兄妹w)
・ゴール目前で美和子に、「ありがとう」と泣きながら感謝するとき
(この多部泣きには、誰もあらがえないでしょう)
・ゴールの瞬間、さすがに「兄」とは手をつながないけど、
左手はしっかりと順弥=杏奈の使い番の肩にまわされていたとき


「ルート225」のときには中学生そのまんまの姿を見せてくれた彼女は
この映画では高校3年生(もう歩行祭が終わったら受験勉強集中の)を
カラダいっぱい使って、くるくる変わる表情と声で
つまり多部未華子の全身を使って
スクリーンに映し出してくれました。
いわば、制服を着た女子高生@多部篇の完成です。

監督が批判され、Tシャツや多部未華子が絶賛されても仕方ないこと。
でも、この映画オーディオコメンタリーを含め4回見ました。
今ではちょっと慣れてきました(おい)
お祭行事のときに、はしゃいでバカやった若者も多かったです。
私もそうでしたし。スベッたり、弾かれたり。
でもたいてい当事者は忘れたりしていて・・・同窓会のときツッコマれる
青春は恥ずかしい、若気の至りの連続です。

学園青春映画の傑作といっても良い「ブレックファーストクラブ」でさえ、
今見るのは恥ずかしい。あの時、カッコいいと思ったものが
今なんとにダサく思えることか!

青春時代が夢なんてあとからしみじみ思うもの
青春時代の真ん中は道に迷っているばかり
(詞:阿久悠、作曲:森田公一 「青春時代」)


今では「夜のピクニック」の『なんじゃこりゃ~』と思う部分も含めて
愛でる事ができるようになりました。、もう2度とない16~17才の頃の
若い多部未華子ちゃんを見られるから・・・

メイキングで、若いキャストに
「青春とはなんですか?」と質問する場面がありました(ちょっと愚問)
多部ちゃんの答えは
「いま高校生だから、・・・中学生のときが青春時代!」


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(2008/02/08)
多部未華子、石田卓也 他

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